さて、バブルデッキなるものが存在するのをご存知で。
これはビデオデッキからカセットデッキまでAV機器ほぼ全てに当てはまるのですが、いわゆるバブル期に
製造された単品デッキは金のかけ方が違う訳ですね。
あの頃は高くても売れた時代なので、メーカーが挙って開発に挑み、画質・音質競争が凄かったのです。
ですから現在と開発費のかけ方が違いますし、研究で得られた技術を惜しみなく投入されて設計されています。
もはや今では到底まねの出来ないことでしょう。
したがって、その頃製造されたデッキは基本性能が非常に高く、中には現行機種を買うのがバカらしくなる位
すばらしいものも存在するのです。


例えばビデオデッキではビクターのHR-20000という92年に発売された機種が伝説的になっています。
今ですらヤフオクで6万とかしますしね。
S-VHSデッキなのですが、メカの構造から内部の細かいところまで至れり尽くせりです。
現在の超高級デッキでも真似出来ないでしょう。
まぁ、映像S/N比だけで言ったら現行の機種の方がフルデジタル処理されている分高いのですが、
アナログ時代にS/N50dBを達成したということが凄いと思います。なんせ13年も前ですよ。
今でもこの画質は十分通用すると思います。
映像の記録に関する数値を見つけられなかったのですが、現行のビデオDACの方が性能は優れているにしろ
昔のデッキの方が綺麗に見える可能性も高い訳ですね。
現行の地上波が水平解像度330TV本ですから、S-VHSの400本があれば十分な筈なんですが。
DVDは水平解像度500本以上ですが、映像サイズそのものがMPEG2準拠なために720×480となります。
すなわち、本来水平解像度720本でなければならないところが、その7割程度にしかならないのですね。つまり滲んでる訳です。
おまけに現行のTVは走査線数が525本とNTSC規格で決まっており、有効垂直走査線数が480本
なのでDVD規格は全うしているかと思われますが、どうなんでしょ。
ちゃんと走査できてるんですかね。


とまぁ、実際DVDの方が規格的にはきちんと作れば綺麗なはずなんですが、ところが実際はそうでもなく。
何故ならチューナーの性能がとことんしょぼいんですね。現行機種は。
地上波がデジタルに移行するまであと6年そこらですが、今後地上波アナログにこだわった機械が
新製品として出てくる可能性は極めて低いですね。ですから昔のチューナー性能が良い
デッキが重宝される訳です。
また、コピーワンス制度が崩れない限り、デジタルコピーは基本的に出来ませんが、アナログへのコピーならやりたい放題です。
ガードキャンセラーなどを使えば、そこから間接的にPCに取り込んでデジタル化することも可能ですし。
まぁ、キャンセラーかましちゃえばPCでもアナログ録画できますが。しかし音質がMP3に
なるのでしょぼいですね。旧デッキはCD並みで記録できます。
ですから、一部では録画性能の高いデッキが現在でも望まれている訳ですね。

(追記)
肝心なことを忘れてました。DVDは最高画質だとディスクに僅か1時間しか撮れないのですね。
S-VHSなら3時間は撮れますね。仮に標準モード(4.8Mbps程度)だとしても2時間弱です。
これじゃあ遥かにS-VHSの方が綺麗ですな。3倍にしたらその差は歴然です。
DVDはビットレートに対して比較的リニアに画質が落ちますが、S-VHSはそうでもないですね。